2015.03.30

犯罪心理捜査官セバスチャン M・ヨート H・ローセンフェルト

犯罪心理捜査官セバスチャン 上 (創元推理文庫)
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犯罪心理捜査官セバスチャン 下 (創元推理文庫)
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本国スウェーデンで人気の脚本家がタッグを組んで書き上げたミステリーである。上下巻にわたる長編だが、とにかく読ませる。

スウェーデン中部、メーラレン湖岸に位置する町ヴェステロースで、心臓をえぐられた少年の死体が発見され、国家刑事警察の腕利きチームが捜査を開始する。そこに、主人公たる犯罪心理捜査官セバスチャンが加わって、というのが大まかな流れなのだが、このセバスチャンという男、相当な曲者で、詠み手の心を掴んで離さない。

なにしろ根っからの好色家である彼が、捜査に参加した理由は、警察のデーターベースを個人的に利用するためなのである。そのくせ、かつての同僚たちを引っ掻きまわす悪童っぷり。しかし、その自暴自棄な行動の裏には、妻と娘の死という暗い過去が横たわり、被害者にふと見せる優しさをも持っている。この落差に、心奪われる。

脚本家の書いた小説ではあるが、過度に映像的にならず、かと言って、心理描写がくどくなることもない。程よく各キャラクターの内面を掘り下げながら、後半続けざまに事件を動かし解決編へと傾れむ手際の良さが、なんとも心地いい。

稀にみる使えない男、地元警察ハラルドソン刑事を生み出した功績も大きいだろう、と思う。


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