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2015.07.24

「里」という思想 内山節

「里」という思想 (新潮選書)
内山 節
新潮社
売り上げランキング: 62,825

内山節は、1950年生まれ。在野の哲学者。70年代から群馬県上野村に移り住み、今なお活動を続ける人物である。農文協から著作集全15巻も刊行が開始され、その人気ぶりが窺える。

本書では、「営み」「馬頭観音」「国際化」「情景」などの語句を手がかりに、短い文章が綴られていく。絶え間ない自然の変化に身をあずけ、それを感じること。借りものではない彼の言葉が人を惹きつけるのだろう。伸びやかに自身の思索を広げていくその姿は、批評家や哲学者というよりも、「哲人」と呼びたい気分だ。

ひとつ、「物語/語り」の味わいを伝える釣り人のエピソードが面白い。

村の川には岩場があって、そこには巨大魚が棲んでいる。村を訪れる釣り人は必ず岩場に立って、魚をねらう。しかしその重量ゆえ、岩場まで釣り上げることができない。そこで釣り人は、手づかみでとばかりに、渓流に飛び込むのだ。結果誰もが、ずぶ濡れになってしまうという。

土地々のローカルな物語が、あらゆる人を区別なく、綯い交ぜにしてしまう。甘い夢のような時の流れがそこにあった。


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