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2015.09.17

リトル・ピープルの時代 宇野常寛

リトル・ピープルの時代 (幻冬舎文庫)
宇野 常寛
幻冬舎 (2015-04-10)
売り上げランキング: 124,310

あとがきの優れた本は、良本であることが多い。読む間に溜まった熱気を冷まし、作家と著作の密なる関係を静かに示してくれるような、そんな文章がいい。

2008年に『ゼロ年代の想像力』で華やかなデビューを飾った宇野常寛による力作『リトル・ピープル』も、あとがきが心をうつ。

宇野常寛という筆名は、亡き父の名を借りたものであるという。そもそも、この名が筆名であったことに驚いたのだが、それはさておき、村上春樹と仮面ライダー、時代を代表するふたつの「物語」に<ビックブラザー>から<リトル・ピープル>への移ろいをみる本書の、表だった裏テーマは「父」である。

デビュー以来、彼の批評の中心には、いつも「父」がいる。父の名から取られた筆名が先か、批評が先かは分からないが、しかし、宇野常寛にとっての「父」とは、靴の中の小石のごときものだったのではないか。本書のあとがきで、彼はその石をそっと拾い上げる。それも、誰もがはっとする言をもってして。

不意に訪れた若草色の確信。変化の兆しが、瑞々しく映る。

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