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2015.11.24

なぜなら雨が降ったから 森川智喜

なぜなら雨が降ったから
森川 智喜
講談社
売り上げランキング: 714,682

森川智喜は2010年にデビュー。2014年『スノーホワイト』で本格ミステリ大賞を受賞。綾辻行人らを輩出した名門(?)京大推理小説研究会の出身で、名実ともに申し分なし。ミステリー界期待の若手の一人である。

本作は、とある安アパートで探偵業を営む揺木茶々子の活躍を描いた、連作ミステリーである。語り手は、同じアパートに入居の決まった大学生、野崎圭人。ライトノベル風ではあるが、登場人物のキャラクターはさほど強調されることなく、どちらかと言えば、<事件の説明と謎解き>のシンプルな構成の5編からなる。

この、ミニマルなリズムの物語に光るアクセントが、「雨」である。揺木茶々子は雨女だ。彼女の行くところいつも雨が降る。このキャラクター設定が、設定だけに留まらないところが、憎い。本作において「雨が降る」ことは、キャラクター設定であると同時に、そのまま謎解きの鍵でもあるのだ。雨女探偵、揺木茶々子は真相解明にあたって言い添える。「なぜなら、雨が降ったから」、と。

してみれば、「雨」は、作者自身を縛る枷であり、読者に差し出されたヒントでもある。その「雨」の巧みな生かし方に、感心させられた。

森川智喜の、遊び心、心意気、買おうではないか。

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