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2015.12.10

論壇日記 小熊英二

論壇日記 2011.4-2013.3
論壇日記 2011.4-2013.3
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小熊英二
新曜社
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本書は、小熊英二が朝日新聞論壇委員として作成した会議用メモのまとめたものである。会議用とあって通常こうしたメモが公開されることはないというから、なかなか貴重な代物でもある。

驚かされたのは、朝日新聞論壇委員なる者たちの存在である。論壇委員は、論壇時評執筆者のサポートを職務とする専門家、六名からなる。各々「思想・歴史」「政治」「外交」「メディア」「社会」「科学」の各分野を受け持ち、毎月各種雑誌論考に目を通す。そして時評執筆者と共に月例会議を開き、取り上げるべき話題について話し合うのだという。

論壇時評の縁の下で、こうしたからくりが働いていようとは思いもしなかった。小熊英二はこの会議を、まるで知的サロンのようだったと述懐しているが、研磨された知が交錯する場所に居合わせる喜びは、推して知るべしだろう。

因みにこの本、論壇誌の<雑誌的面白さ>が浮き彫りになる点も見逃せない。ここに収録されたものに限っても、これだけの数の論考が毎月雑誌に発表されている。その雑多性、枯れては生えくる生命力には、ただ感嘆するほかない。内容の良し悪しは当然ある。しかしそれ以上に、これら種種雑多な論考たちの輝きと消滅の反復、そのダイナミズムこそ論壇誌の<雑誌的面白さ>の核心なのではないか、とそう思うのである。

個人的に気になった論考をいくつか挙げてみよう。伊東光晴「経済学からみた原子力発電」(『世界』11年8月号)、御厨貴・佐藤信「先生、このまま逃げる気ですか」(『中央公論』12年7月号)、「住まいからみた日本」(『世界』12年8月号)、矢部武「アメリカの「意外に」手厚い生活保護制度」(『g2』11号)。どれもいつかは読んでみたい。

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