2016.01.25

知の不確実性 イマニュエル・ウォーラーステイン

知の不確実性 〔「史的社会科学」への誘い〕
イマニュエル・ウォーラーステイン
藤原書店
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イマニュエル・ウォーラーステインの論文集『知の不確実性』を読む。ウォーラーステインは世界システム論の草分け的存在の社会学者である。これまでその名を目にすることはあれど、実際に著作を手にしたのは今回が初めて。

話はこうだ。元々ひとつの学問であった<哲学>と<科学>は、18世紀末「真理」の内容を争い「離婚」。<ふたつの文化(人文学と自然科学)>に分かれてしまう。その後<ふたつの文化>は多くの個別科学を生み出しながら発展、高度に細分化され、今にいたる。

学問がより細かく専門的になることで、良いこともたくさんある。でも時々、お隣さんが何を研究しているのかさえ分からなくなることもあって、それはそれで困ったことなのだという。

そこでウォーラーステインは、<ふたつの文化>の「離婚」を調停、あわよくば「再婚」させることはできないだろうかと、思い巡らす。彼はこの「再婚」を<史的社会科学>と呼ぶ。それは、「時間」という接着剤でふたつの「真理」を繋ぐ試みだ。

十年以上前の本とはいえ、ずいぶん大きな話に心惹かれる。ただ、物理や数学分野で使われる「真理」や「法則」への適用はちょっと大変そうだ…。

時空を超えたものに「時間」を導入するという考え(「真理」の歴史化?)は、先だって読んだ池田清彦『生命の形式 同一性と時間』にも通ずるところがあって、嬉しい発見にもなった。

ちなみに、歴史学者のブローデルは似たような事を「乱交」と表現している。過激だけれど、すごく的確で、こっちの方がちょっと小粋だ。

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