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2016.05.10

旧校舎は茜色の迷宮 明利英司

旧校舎は茜色の迷宮 (講談社ノベルス)
明利 英司
講談社
売り上げランキング: 507,066

明利英司の『旧校舎は茜色の迷宮』は、高校を舞台にした青春ミステリーだ。島田荘司が主催する「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」において、2013年の優秀作品のうちの一本に選ばれ、書籍化された。

お話はこうだ。ある高校の旧校舎で、女性教諭が何者かに殺される。犯人が見つからないまま、一年目の命日を迎えたその日、こんどは男性教諭が同じ旧校舎の窓から飛び降り、命を落としてしまう。ふたりには接点があり、警察はこの事件を自殺と断定。事件に違和感をもった三人の高校生(装丁に描かれた男の子と女の子)が、真相にせまる。

いわゆる「青春の痛み」を描いた作品で、ミステリー小説としては王道になる。派手なところはあんまりない。でも、よくよく練られた作品だと思う。破れた地図を重ねた時はじめて本当の世界が見えてくるような、そんな作りになっている。こういうミステリーは、隅々まで気を配っていないと、なかなか書けない。作者に底力があるんだろう。

本当に事件の真相を知りたがっているのは誰なのか。登場人物たちが事件について、知っていること、知らないこと。平行して走る複数の思惑のなかに、読者を欺く罠と真相が上手に隠してある。

ただ、終盤は物語のための物語になってしまって、どこかぼんやりした印象になってしまった。そこのところは、やっぱりちょっと残念だ。

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