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2016.07.06

メノン プラトン/光文社古典新訳文庫

メノン~徳(アレテー)について~ (光文社古典新訳文庫)
光文社 (2013-12-20)
売り上げランキング: 62,400

新訳を手にし、久しぶりに読んでみたら、解説のありがたさが身に沁みた。昔読んだときは退屈な作品だったが、今は面白くてしょうがない。この作品の奥深さを何も知らなかった。解説ひとつでこうも作品の見え方が変わるものかと、驚きを超え、感動すら覚える始末なのである。

例えば、まえがき。メノンは何者で、どうして「徳」についてソクラテスに訊ねているのかという、対話の前提が説明される。この前提を知っているだけで、ずいぶん違う。ふたりの会話のライブ感が、ぐんと増すのだ。「徳」についてなんていう浮世離れした会話を前に、この解説の役割は大きい。

ソクラテスがメノンの議論を巧みにズラしていく点も、かつて違和感のあったところだ。ソクラテスは、ほんの少しの飛躍を使って、あっという間に相手を「罠」にかける。メノンは「魔術」と言っているけど、ぼくも妙な引っかかりを感じていた。でも、そこにもちゃんと脚注がついている。ほらここで少しずらしたよ、ってちゃんと教えてくれる。喉のつかえが取れるとは、誠このことである。ありがたいとしか言いようがない。助かります。

訳者の渡辺邦夫にも俄然興味が湧いてきた。

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