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2017.01.25

男性作家が選ぶ太宰治 講談社文芸文庫

男性作家が選ぶ太宰治 (講談社文芸文庫)
太宰 治 奥泉 光 佐伯 一麦 高橋 源一郎 中村 文則 堀江 敏幸 町田 康 松浦 寿輝
講談社
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芥川龍之介や谷崎潤一郎は、少しばかり読んだことがあったのだけれど、そういえば太宰治は読んだことがない、ということに今更ながら気づいた。どれ、と思って読んでみる。と、これがすこぶる面白い、というより、素晴らしくないですか?ちょっとため息が出そうである。

たとえば「富嶽百景」。富士の頂角についての講釈からはじまって、<「いいねえ。富士は、やっぱり、いいとこあるねえ。よくやっているなあ。」>とくる。このすっとぼけているようで、大らかな感想が、鈍角な富士そのものずばりを言い当てる。たとえば「饗応婦人」では、夫人という存在の可笑しみを、<走り狂い>の一語で表現してしまう。「道化の華」のようなメタ・フィクションもあれば、「畜犬談」のようにスマートな短編もあって、自在である。

上手いなあ、と思う。小説が上手いだけじゃなくて、ちょっと鈍くさくて、あたたかいところがミソだ。そういうところが、わたしの心をくすぐるのだろう。

『女性作家が選ぶ太宰治』もあるとのことで、いつか読んでみたい。

選者/収録作 奥泉光「道化の華」佐伯一麦「畜犬談」高橋源一郎「散華」中村文則「渡り鳥」堀江敏幸「富嶽百景」町田康「饗応夫人」松浦寿輝「彼は昔の彼ならず」 

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